空色迷宮PROJECT


地上
うつる
世界
海の沈黙
少年の夢
望み
隠者
対句 空の旅路
対句 朝やけの鯉
空の旅路
変化
奪う

対句 夜ふけのガスト
月の逆位置
幸福
霜夜
魂言
抱擁
包む
プラットホーム
ひとり
おもかげ
君の言葉





月も星も見えなくて
窒息しそうになる

手をのばして
とどくような星しか見えないなんて

こんな夜ならいらない

地上より天上の星座
外の景色を見たいのに
これじゃ閉じこめられたも同じ

モールスを送っても
誰がこたえてくれるのだろう

地 上




影踏みをして
遊んでいたら

いつのまにか
自分の影に踏まれてしまった

これからは
僕がきみに
きみが僕に

きみが僕の影を踏むまで
鏡の奥
もう一人の自分


うつる




一人で生きていけると思ってた
支える手がなくても
平気だと

目の前で 出会わなかったら
そう 思っていられたかもしれない

一人じゃ生きていけないと知った夜
夜が とても 長いと思った


だまされていれば よかった

世界





あれは
遠くから来るのかもしれない

近くに
ひそんでいるのかもしれない


あれは 麻薬のように密やかに
眠りのように 自然に

気配もなく
あわらわれては 消える

その沈黙は
祈りにも似て


海の沈黙





ナイフのようなまなざしの少年が
闇を切り裂くように
その目を空に向けていた

遥かな虚空で
しるべのように星が輝き

刃のような月が
誰かの夢を切り裂いていた

それは

少年の夢だったのかもしれなかった

少年の夢







相手の幸せを望むことが愛だと言うならば


恋は自分の幸せを望むことだというのですか




望み





息を止めて
そのままじっと世界をながめる

何と言われても
自分の真実を信じて

まっすぐ前をみつめて

星と月の灯りだけをたよりに

探していく

正しい道を

隠者





僕らは時のかけらをひろいながら
夢をそだてているのだ

手のひらからこぼれていく夢をみながら
大人になっていくのだ


対句 空の旅路






大切なのは、愛を覚えるということ。


お互いのまなざしのベクトル




対句 朝やけの鯉





共に空を駆けよう

あの星の輝きの彼方まで

ここに戻って来れないくらい
遠くに向かって旅をしよう

二人だけで

二人だけにしか見えない景色
見えない夢を見ながら

共に手をとり肩を組んで
果てよりも遠くどこまでも

死が二人をわかとうとも

死が二人をわかとうとも


空の旅路







自分のことを僕と言えなくなってしまった日


一体 何が変わってしまったのだろう




変化





奪え
本当に欲しいものならば

死にそうなくらい
こがれるものならば

奪え

モラルなんて知らない

ただ 君の愛があればいい

やさしくつつむ君のぬくもり

月がかける速度で
僕は君に近づいて行く

ゆるやかに
力強く
確実に
奪う

誰がなにを叫んでも
誰が邪魔をしようとも

奪え

手に入れろ

命と同じ重さのものを

奪う





確かめるために

愛しているのか
愛されているのか

わからなくなるから

迷宮都市の中で君を見失う

道は闇に

心だけが僕のあかり

導くのは君の心

愛しているのか
愛されているのか

探すほどに見失う君の姿





感情が言葉になろうとしているのに


その言葉は空にとどまるのみ




対句 夜ふけのガスト





新しい夜明けが君の上に

どんなに暗い夜
ひとりがつらくても
あけない夜はないから

二十五時
いつであっても

新しい夜明けの時間を教えてあげるよ

月の逆位置




空虚な笑顔
声も手も瞳も
北風よりも冷たい

すべての幸福が
なにかの犠牲の上にたっている

抱きしめても結晶のようにはかなく

幸福





星が降る中
白い息とともに走る

声が呼ぶ

僕でない名を

抱きしめるための
手を持ちながら切り落とされた腕

声が

心が

あまりにも遠い

星よりも君が

霜夜





言葉を探している

正直にいきるために
傷つかないために

自らの手で
自らのこころをささえられるように

恋に焦がれた魂を
探すように言葉を探している

魂言






「大丈夫、傷つかないから」

そう、となえている君
両手で抱きしめている心が

透明よりも
透明な青に染まって凍えているのが
見えるのに

知っている
誰が抱きしめても
心はあたたまらない

この手のぬくもりが
君に届くといいのに

抱擁




雨が降っている

静かに
雨が

僕の上に
君の上に

優しく

静かに

雨が降っている

包む





つないでいた手
名残惜しく思いながら

はなす

とぎれることのない視線が
君のこころをあらわす

ムーンリバーが僕らの間に流れる河

君のぬくもりが僕の指に

ほのかに

プラットホーム





ひとりであることを知るということは
幸せに近づくことでもなんでもない

ひとりであることを知ることは
ふたりでいることとの違いを感じることが
できるようになるだけ

ひとりはひとり

ふれるぬくもりが決して
真実をあらわしているわけではない

ひとり





君を忘れたことなんかなかった

今だって思いだしてる

初めての感情
初めての感覚

ずっと忘れることはないと思っていた

忘れることはたやすいけれど
それは僕に許されないこと

僕が僕として生きていくためには
君が君であったことを

忘れるはずはなかった


ごめん

君をなくして

忘れていたことに気づくなんて

おもかげ





「愛してる」

大切けれど言うことはたやすい

言わなければ偽りを

言うからには真実を

君のこころに響く
言葉を みつめて

はかない信頼とともに

僕は君の言葉を


君の言葉


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